(第49回)秋から冬に注意するべきお子さんの病気~溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎~)

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“今日のすくすくキッズ” の紹介は、コラムの最後に登場です

 

 

 

先週末の3連休は大型台風が日本を縦断しました。

(台風の被害に遭われた皆様には謹んでお見舞い申し上げます)

台風の訪れと共に、季節は日に日に秋へ近づいています。

 

 

 

秋から冬は「感染症」が流行しやすい季節です。この時期に多い感染症としては、インフルエンザ、RSウィルス、溶連菌感染症、ノロウィルス、ロタウィルスなどがあります。

 

 

 

お子さんの急な発熱、のどの痛み・・・この中でも風邪と間違えやすいものがインフルエンザ、RSウィルス、溶連菌感染症です。

 

 

そこで、今回は、「溶連菌感染症」について考えていきます。

 

 

 

 

溶連菌感染症とは

 

 

溶血性レンサ球菌と呼ばれる細菌の感染によって発症する感染症です。

 

 

溶連菌感染症のうち90%以上が溶血性レンサ球菌の中にA群によるものであり、一般的にA群溶血性レンサ球菌による感染症を溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)と呼び、急性の咽頭炎を引き起こします。

 

 

A群溶血性レンサ球菌(以下、溶連菌)は菌の侵入部位によって、咽頭炎だけでなく、膿痂疹(とびひ)、中耳炎、肺炎などの原因にもなります。

 

 

子どもから大人まで年齢を問わず感染しますが、学童期の小児に最も多く、3歳以下や大人では感染しても溶連菌感染症の典型的な症状はあらわれないことが多いといわれています。

 

 

 

 

 

潜伏期間、症状

 

 

潜伏期間は2~5日間ですが、潜伏期での感染性については不明です。

 

 

 

ここで、注意!!

 

 

溶連菌は潜伏期間よりも発症してからの感染力が非常に強く、発症してから抗生物質服用後、24時間以内が1番感染力が強いといわれています(24時間以降は感染力は消失していきます)

 

 

 

症状は

 

〇発熱(38~39℃) ※39℃を超える場合もある。

〇のどの痛み

〇白苔に覆われた白い舌(初期の段階)

〇イチゴのようなツブツブが見られる“イチゴ舌”(白い舌が進行)

 

 

3歳未満の幼児ではあまり熱が上がらないといわれています。

 

 

 

ここで、ポイント!!

 

 

溶連菌感染症の場合、咳や鼻水の症状はあらわれません。

 

 

 

ここで、注意!!

 

 

上記の症状に加えて、体にサンドペーパーのようなザラザラし日焼けしたような皮疹がみられるものを猩紅熱(しょうこうねつ)といいます。

 

 

猩紅熱の皮疹はわきや足の付け根などの皮膚のシワの部分に多く見られます。このような皮疹は顔では見られず、顔では額と頬が紅潮し、口の周りのみ蒼白く見えるのが特徴です(口囲蒼白)

 

 

 

 

治療(対処法)

 

 

溶連菌感染症には抗生物質が使用されます。

 

 

基本的な治療にはペニシリン系の薬剤が使用されますが、ペニシリンに対してのアレルギーがある場合はエリスロマイシンという薬剤が使用されます。

 

 

のどに強い痛みがあることが多いため、水分の摂取が不足しがちになります。

水分の補給はしっかりとするようにしてあげてください。

(のどに刺激のある、熱いもの、冷たすぎるもの、すっぱいものなどは避けましょう)

 

 

 

ここで、ポイント!!

 

 

抗生物質とは細菌感染症に効果のある薬剤です。一般的にウィルスには効果がありませんが、“溶連菌”のような細菌には有効な治療法です。

 

 

抗生物質を服用開始から2~3日で発熱やのどの痛みなどの症状はおさまっていきます。症状はおさまっても体内の溶連菌が完全に排除されたとは限りません。体内に溶連菌が残っていると再発、また重大な合併症(リウマチ熱や急性糸球体腎炎など)を引き起こす可能性があります。

 

 

溶連菌感染症の場合、抗生物質は5~10日間、処方されます。

 

 

症状はおさまったのに、お子さんに抗生物質を服用させ続けることに抵抗を感じられるママもおられると思いますが、溶連菌は体内から完全に排除しないといけません。お医者様から出された抗生物質は最後まできちんと飲ませてあげてください。

 

 

特に、症状がおさまったお子さん自身が飲むのを嫌がる場合がありますが、ママがきちんと最後まで飲ませてあげてください。

 

 

 

ここで、注意!!

 

 

ペニシリン系の抗生物質には薬物アレルギーを起こす場合があります。

 

その症状は、

 

〇体が痒くなる

〇蕁麻疹(じんましん)

〇呼吸が速くなる

〇動悸がする

 

 

ご家族の中に薬剤アレルギーを持つ人がいる場合、お子さん自身が食物など何かしらのアレルギーを持っている場合はお医者様に相談しましょう。

 

 

 

抗生物質のポイント!!

 

 

細菌の感染症に効果のある“抗生物質”。

 

 

お子さんに抗生物質を飲ませることに抵抗あるママも多くおられると思います。お子さん自身の自然治癒力で原因となる細菌を排除出来れば良いのですが、細菌の威力が強いものではお子さんの体力を奪い、どんどん症状が悪化してしまう可能性があります。

 

 

また、症状がおさまったのに、処方された日数分を飲みきることの必要性を疑問に思われることもありませんか?

 

 

症状がおさまっていても体内の細菌が完全には排除されていません。細菌は完全に排除しておかないと、感染症を再発したり、合併症を発症したり、“耐性菌”を出現させてしまう場合があります。

 

 

細菌は環境に応じて少しずつ変化していきます。体内に残った細菌が変化し、その抗生物質に対して耐性を持ってしまう場合があります。そうなると、同じ抗生物質が効きにくくなってしまいます。

 

 

お医者様から処方された抗生物質に不安があるようでしたら、お医者様や薬局の薬剤師に相談してみましょう。そして、処方された日数はきちんと飲みきるようにしましょう。

 

 

 

 

感染経路

 

 

溶連菌の感染経路はくしゃみや咳などの際に出る飛沫によって感染する「飛沫感染」、唾液、鼻水がついた物や手に触れることで感染する「接触感染」です。

 

 

ここで、注意!!

 

 

溶連菌感染症は通常、感染者(患者)との接触により拡がっていくため、人と人との接触の機会が多くある学校などの集団や家庭での感染が多いといわれています。

 

 

国立感染症研究所のホームページによると、感染力の強い発症初め(急性期)の感染率については兄弟間の感染率が最も高く25%と報告されています。

 

 

外出時のマスク、帰宅時の手洗い、うがいを心掛けるのはもちろん、家族の中に患者がいる場合は、同じコップや食器、タオルは使用しないようにしましょう。また、兄弟、姉妹がいる場合は患者(お子さん)との接触は出来るだけ避けるように注意しましょう。

 

 

 

 

ここで、疑問?? 外出、登校はどうしたら良いの??

 

 

溶連菌感染症には出席停止といったような明確な基準はありません。

ですので、お医者様や学校の考えにより様々です。

 

 

“学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説”日本小児科学会 予防接種・感染対策委員会2012年 9月改訂版では、「適切な抗菌薬による治療開始後24時間以内に感染力は失せるため、それ以降、登校(園)が可能である」とされています。

 

 

また、厚生労働省の“保育所における感染症対策ガイドライン”では「抗菌薬内服後24~48時間経過していること」とされています。

 

 

まずは、お医者様、学校の指示に従ってください。

 

 

 

 

 

溶連菌感染症は咳や鼻水の症状がないため、外観では感染しているのかわかりにくく、また、症状は風邪の初期症状と見分けがつきにくい感染症です。

 

 

これからの時期、お子さんがまず「のどが痛い」と言ったら、発熱の有無、舌の状態などを確認してあげてください。

 

 

また、病院に連れて行く際には、念のために、マスクを着用させて行くことを心掛けましょう。

 

 

次回は、秋から冬に注意するべきお子さんの病気として、「インフルエンザ」について考えていきたいと思います。

 

 

…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!

 

 

 

“今日のすくすくキッズ” のご紹介です】

 

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兵庫県のえつきくん

(2015年2月生まれ、身長92cm、体重13kg)

 

~ママからのメッセージ~

一人息子です。最近、言語が爆発的に出るようになって、お父さんとお母さんとのおしゃべりが楽しい毎日を過ごしてます。

 

 

 

 

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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長

 

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