(第42回)夏に要注意!!~お子さんの熱中症③脱水症の予防~

 

 

“今日のすくすく赤ちゃん” の紹介は、コラムの最後に登場です

 

 

夏真っ盛りのこの時期、連日の猛暑の中でも子どもは元気いっぱいですね(^^)

ただし、元気いっぱいだからといって安心は出来ません。

 

 

 

子どもは大人と違って、自分自身の体の状態を的確に把握することはできません。元気に走り回っていたお子さんがぐったりする頃には、とても大変な状態にまでなっている場合もあります。

 

 

 

特に、子どもの脱水症は暑い時期だけでなく、風邪や下痢等でも起こしやすい症状です。

 

そこで、今回は、お子さんの脱水症の“予防”について考えていきます。

 

 

 

【脱水症の予防】

 

 

予防1 水分補給

 

 

脱水症の予防には、まずは水分補給です。

大人なら意識して、水分を摂りますが、子どもの場合はそうはいきません。

 

 

小さいお子さんは自分で水分を摂ることは出来ません。また、お子さんが自分自身で水分が摂れるようになっても大人とは違い、「脱水症の予防に」という意識は持つことは難しいです。お子さんの場合は、喉が渇いていても、目の前の楽しい遊びに夢中になってしまう場合が多いです。

 

 

ママやパパ、周囲にいる大人が“予防”を意識して、お子さんに接してあげるしかありません。

 

 

ここで、ポイント!

 

 

喉が渇いてから水分補給するのではなく、喉が渇く前に水分補給することが脱水症の予防として有効です。

 

 

 

 

水分補給のパターン

 

 

乳児の場合

 

母乳やミルクの回数を増やしてあげましょう。

 

 

 

離乳食を始めた赤ちゃんの場合

 

母乳やミルクの他に湯冷ましやお茶をあげましょう。

 

 

 

離乳食が完了したお子さんの場合

 

湯冷ましやお茶を中心に、汗を大量にかいたときなど、状況によってはイオン飲料をあげましょう。

 

 

 

幼児以降

 

味覚の発達により、ジュース等の糖分の高いものを欲しがることが多くなりますが、“水分補給”という点では、水やお茶を中心にしましょう。

 

 

糖分の高いジュース等は水分補給ではなく、あくまでも“おやつ”の扱いが良いでしょう。

汗を大量にかいたときなど、状況によってはイオン飲料をあげましょう。

 

 

 

 

水分補給のタイミング

 

 

喉が渇いた時に水分補給するだけでなく、以下のタイミングでは、ママが意識して、お子さんが水分を摂らせるようにしてあげましょう。

 

起床時

各食事の時

運動(外出)の前後

入浴の前後

就寝前

 

 

 

ここで、ポイント!

 

おむつが取れたお子さんやある程度、大きくなったお子さんの場合、“おねしょ”が気になって、ついつい就寝前の水分補給は控えめになってしまいますが、子どもは就寝中でもたくさんの汗をかきます。また、睡眠時間も長いです。就寝中の脱水症にも気をつけてあげてください。

 

 

おねしょが気になるようでしたら、就寝する1時間前を目安に水分補給をしましょう。そして、就寝する前にトイレに行くようにしましょう。

 

 

 

 

ここで、ママの悩み~水分を欲しがらない~

 

お子さんの中には、“あまり水分を欲しがらない”、“飲ませようとしてもなかなか飲んでくれない”というお子さんがたくさんいます。こんな時、ママは困ってしまいますよね。

 

 

あまり水分を飲まないからと言って、お子さんが水分を欲しがった時にここぞとばかりに一気にたくさん飲ませるのではなく、普段から少しずつの量でかまいませんので、「こまめに」水分を摂るように習慣づけるようにしましょう。

 

 

例えば、麦茶を飲んでからお風呂に入る、お風呂を出たらお子さんの好きなもの(果汁ジュース等)を飲ませてあげることで、“ご褒美”としての水分補給をし、入浴前後の水分補給を習慣づけるのも良いでしょう。

 

 

また、食事の中で水分補給も出来ます。

 

 

食事の際には汁物を必ず付けるのも方法の1つです。この場合は汁物に含まれる塩分に注意してください。汁物もお味噌汁だけでなく、おすまし、コンソメスープ、中華スープ等、中に入れる具材(野菜等)を変えれば、お子さんも飽きることなく飲んでくれるのではないでしょうか。

 

 

 

予防2 室温

 

子どもは汗かきです。

汗により大量の水分を消耗しています。

 

 

暑い時期は室内の温度にも注意しましょう。

一般的に、夏の室内の適温は26~28℃が適温といわれています。

 

 

 

ここで、注意!!

 

 

大人は涼しくてもお子さんには寒い場合があります。

 

 

子どもは大人よりも体の位置が床に近くあります。エアコンの機種にもよりますが、大人には適温でもお子さんにとっては冷えすぎる場合があります。エアコン本体の温度設定の他に、お子さんの体の位置付近に温度計を置き、その温度を測定してみましょう。

 

 

そうすることで、お子さんにとって適温であるエアコンの設定温度がわかります。

 

 

また、エアコンからの冷たい風に直接、体を当てるのではなく、扇風機を使って、室内全体に冷たい風が行き渡るようにし、間接的に冷たい風を感じるようにしましょう。

 

 

 

 

ここで、考えてみましょう~汗をかかなければ、脱水症にはならない?!~

 

 

水分を消耗するから脱水症になるのであれば、「汗をかかなければ、脱水症にはならない」でしょうか?

 

 

答えは、NOです。

 

 

“汗をかく”ことは身体の重要な“体温調節機能”の1つです。

 

 

人間の身体は多くの熱を作り出しますが、体温が高くなりすぎてしまった場合、汗腺の発汗作用が促され、汗が出ます。その汗が蒸発する際に皮膚から気化熱を奪うことで、体外へ熱を放出します。

 

 

汗をかくことは高くなり過ぎた体温を下げるために必要な機能です。

特に、子どもは大人に比べると、体温調節機能が未発達です。子どもにとって、汗をかくということは必要なことです。

 

 

汗をかかない環境下にずっといると、汗をかかない体質になってしまう可能性があります。

しかし、日常生活の中でずっと適温の環境下にいることは不可能です。

 

 

そうなると、いざ、汗をかかないといけない状況下になっても、うまく汗をかくことが出来ず、自分自身で体温を下げることができないため、体内に熱がこもりやすくなってしまい、却って熱中症や脱水症になりやすくなってしまいます。

 

 

水分を消耗することを防ぐよりも、少しずつでも水分を補給することを心掛けましょう。

 

 

 

ここで、ポイント!!

 

 

暑い時期こそ、“おかゆ”です。

 

 

暑い時期に熱いもの?!となりますが、適温に管理された室内なら、冷たいものより温かいものの方が身体の中を冷やさないため、結果的には身体にとって良いのです。

 

 

おかゆなら、水分も補給出来ます。具材を入れた雑炊にすれば、それだけでも立派な食事になります。熱々ではなく、少し冷めたくらいの温度なら、お子さんにも食べやすく、水分補給にもなります。食べた後、薄っすらと汗をかく程度なら良いでしょう。

 

 

 

 

お子さんの脱水症は風邪などのウィルス性感染症、細菌感染症からの下痢、嘔吐、発熱などでも起きます。このような症状の場合は、なかなか予防というわけにはいきません。前回のコラムの中の「脱水症の対応」を参考にして頂き、場合によっては病院へ連れて行くようにしてあげてください。

 

 

 

 

脱水症の患者で多いのは子どもと高齢者といわれています。

 

お子さんの脱水症を考えていくと、水分補給の他に、“汗をかく”もポイントの1つになっています。

 

そこで、次回は、”お子さんの汗かき”ついて考えていきたいと思います。

 

 

 

 

 

…今回も、最後までお付き合い頂き誠に有難うございました!

 

 

 

“今日のすくすく赤ちゃん” のご紹介です】

 

42

 

兵庫県の結凪くん

(2016年11月生まれ、身長63cm、体重6.5kg)

 

~ママからのメッセージ~

今はママが大好きなゆいと。いつまでママを探してくれるかな?いないいないばぁっ!ときらきら星が大好き!たくさん大好きが増えるといいね☆

 

 

 

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筆者プロフィール:樋屋製薬株式会社 薬剤師/大阪家庭薬協会 品質部会副部会長